昨日、ついに新札が出ました!
ネットで見本を見てはいましたが、実物を手にすると「こ、これが……!」と感動しますね。
色味がやや鮮やかになっていて、鳩の首元を思わせるグラデーションが綺麗です。
今はこうして「新札だー!」とはしゃいでいますが、この次の新札が出る頃には、現在流通している紙幣の方が珍しくなっているのでしょうね。
なにせ先日乗ったおばあちゃんが何気なく出して来た夏目漱石の千円札、自分の財布の中の千円札と入れ替えて記念に持ち帰ったくらいですから。
しかもピン札ですよ。思わず二度見しました(゚д゚)
刷新されるたびに話題を呼ぶ新紙幣ですが、あと何回新しい物が出るんでしょうね。
現時点で売り上げの半分以上がキャッシュレス決済ですから、私がおばあちゃんになる頃には紙幣や硬貨がなくなっていても不思議じゃありません。
「ほっほっほ、わしの若い頃は紙のお金を使っておってのう。立て続けに万札を出された日にゃあ慌てて両替に走ったもんじゃ」なんて話をする日が来るのかもしれません。
私も基本的にはキャッシュレス派ですし、生活が便利になるのは歓迎ですが、お金って最も身近な芸術品だと思うんですよ。
十円玉に彫られた平等院鳳凰堂の気が遠くなるような精密さを見るにつけ、手に取って見ることが出来なくなったら寂しいなと思います。
さて。
週末の昨日は午後に土砂降りの雨が降ったこともあって、売り上げは上々でした。
国際会議場での学会やマリンメッセでのコンサートなどイベントも多く、どっちにハンドルを切っても手が上がる、夢のような一日でした。
本格的に雨が降り出すと、私は配車アプリを切って流しに専念します。
街中で手を上げる人が増えるので流した方が効率的ですし、同じように配車アプリを切って走るドライバーが増えるため、下手に配車アプリを開くと迎車地が遠く離れた配車依頼ばかり集中的に落ちてくるからです。
昨日はそうして土砂降りの中乗せたお客さんが、後ろで配車アプリのキャンセルをするのを何度か耳にしました。
あくまで彼らの選択とはいえ、人のお客さんを横取りしたようで少々気が咎めます。
電話口の向こうから、「キャンセルですか。分かりました……」と残念そうに呟く声が聞こえると――特にそれが自分と同じ女性ドライバーの声だったりすると――なんとも遣る瀬無い気持ちになります。
1分も走れば次のお客さんを乗せられるような雨の中、自分を乗せるためだけに健気に走って来るタクシーをそんな気軽にキャンセルしちゃう……?
空車表示で走っている以上断ることはないのですが、内心「頼んだならちゃんと待ちなよ」と言いたい気持ちの方が若干上回っています。
とはいえお客さんだって、雨が降り出したその時に傘を持っているとは限りません。雨宿りにいい感じの屋根がないことだってあるでしょう。
せめて配車が決まった直後のキャンセルであることを願うことしかできません。
私の出勤は世間の出勤ラッシュの時間よりやや遅いのですが、それでも雨が強いとなかなかタクシーが捕まりません。
そんな中、2キロ以上離れた場所から来てくれたタクシーのおじさんにはいまだに感謝しています。
タクシーに乗っていると、それまで全然流しで乗せられなかったのに、配車を受けた瞬間手が上がるなんてことがよくあります。
乗客の立場であれば、全然空車通らないなあと配車を依頼した後で目の前を空車が通ることも。
一円でも多く売り上げたい気持ちも、雨に濡れることなく早く目的地へ行きたい気持ちもよく分かります。
雨の中待ってくれているお客さんへの感謝と、雨の中迎えに来てくれるドライバーさんへの感謝。
その両方を大事にしたいと思う今日この頃です。