昨日の夜、ネットフリックスで久しぶりに「ハンニバル」を見ました。
「羊たちの沈黙」の続編になりますが、「羊たちの沈黙」を観ていなくても楽しめます。
FBI特別捜査官クラリスをジュリアン・ムーアが、元精神科医の脱獄班ハンニバル・レクターをアンソニー・ホプキンスが演じています。
クラリス役は「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターから代わっていますが、どちらも実力派の女優さんであり、ストイックな人間だけが持つセクシーさとでもいうべきものを兼ね備えています。
私は色々な映画を観るのですが、特にこのハンニバルは大好きで、どのくらい好きかというと、英語の勉強のために英語字幕を全てノートに書き映して、役者になり切って読み上げていたくらいには好きです。
特に殺人鬼ハンニバルを怪演するアンソニー・ホプキンスの演技が素晴らしく、見れば見るほどこの役は彼でなければならないと感じます。
ここからはネタバレになるのでまだ見たことのない人は読み飛ばしてほしいのですが、特に好きなのは気を失ったクラリスを抱きあげてすっくと立ち上がり食人豚をやり過ごすシーンと(もしあれが私だったら悲鳴を上げながらじたばたして、クラリスもろとも死んでいるでしょう)、冷蔵庫に固定したクラリスに一旦は噛みつこうとして思い直し、キスするシーンです。
唇が離れた瞬間に、毅然とした表情のまま涙をこぼすジュリアン・ムーアの演技力といったら!
私、涙の演技ってすごく重要だと思うんですよ。
号泣するのが自然な場面で嗚咽しているのはなんともないのですが、「えっ、もう泣く? まだ理解が追いつかずに呆然としてる方が自然だと思うけどなあ」的な場面で「さあ、どうぞ泣いてください!」と言わんばかりに悲壮感漂う音楽やバラード曲が流れたりすると、どうしようもなく白けた気分になります。
それで、邦画と韓ドラはあまり見ません。
でも「ミッドナイトスワン」の砂浜で踊る一果を見て「綺麗……」と呟きながらこと切れた凪沙(草彅剛)の演技や、「万引き家族」で誘拐していた女の子が本当の家族より自分を慕っていると警察に聞かされた柴田信代(安藤サクラ)が「そんなわけないじゃん」と淡々と言いながら止まらない涙を隠すように手で拭う演技を見て考えを改め、最近は邦画もちょくちょく見るようになりました。
特にミッドナイトスワンは昼休憩中に見て涙が止まらなくなり、なかなか仕事に戻れず大変でした。
昨夜の興奮冷めやらぬまま、今日はどこにも出かけずに一人アンソニー・ホプキンス祭りをしていました。
「日の名残り」と「2人のローマ教皇」を見たので、あとは「ファーザー」ですね。
ちなみに彼は「ファーザー」で80代にして最高齢でアカデミー主演男優賞を受賞しています。
生涯現役。格好いい響きですね。